【PS3】DARK SOULS(ダークソウル)
発売元 | フロム・ソフトウェア (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2011-09-22 |
価格 | 7800円(税込) |
レーティング | 【D】17才以上対象 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(ARTORIAS OF THE ABYSS EDITION) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:アクションRPG ■ プレイ人数:1人(オンライン時:最大4人) 【DARK SOULS with ARTORIAS OF THE ABYSS EDITION】 ■ 発売日:2012/10/25 ■ 価格:4,800円 通常版にDLC(1200円)を同梱した廉価版です。 |
GOOD!
■世界観、アートワーク
世界観やアートワークは良い点が沢山あると思います。
非常に硬派なダークファンタジーの世界観ですが、そこまでに
おどろおどろしい世界観ではなく、割と誰でも気軽に入り込める
世界観であると思います。
BAD/REQUEST
■シームレスマップ
シームレスと言っても、各ステージを繋ぎ合わせた様な「つぎはぎマップ」と
言った方が正しい部分があります。遊園地でアトラクションが雑多に
乱立している様な感じに近いかも知れません。
ある地点とある地点が確かに繋がっていても扉一枚で雰囲気が急に
様変わりする感じですので、世界の「広さ」の様なものは到底感じられ
ませんでした。また、他の方々が申し上げられている通り、マップの移動も
非常な手間です。
■敵の単調さ
敵が固いのも確かですが、それ以上に攻撃パターンがあまりにも単調です。
近接攻撃メインのプレイヤーの場合、基本的に敵の裏を取り、
後ろ攻撃やバックスタブを決めると言うのが基本的な戦法となりますが、
何が単調かと言うと、このゲームの場合、ほとんど全ての敵を
その戦法で処理する必要があるということです。
なぜそうなってしまうかと言えば、基本的に敵の攻撃パターンが、
盾防御ごしにスタミナをかなり奪う正面攻撃、体力を致命的に奪う
一撃必殺の噛み付き攻撃、近距離で立ち回れない中距離の強力な
広範囲攻撃のいずれかに分類される為で、そのリスクを避ける為に
結果的に後ろ攻撃を狙っていくしかなくなると言うのがあります。
■篝火システム
イマイチ要領を得ないシステムだったと言わざるを得ません。
この「篝火」と言う物が、もっと雰囲気がある、戦地に置ける
一つの「やすらぎ」として機能すれば、また意味も違ってくるの
でしょうが、このゲームに置ける「篝火」とは、いわゆる
「チェックポイント」に過ぎません。このシステムの欠点は既に他の
方々が詳細に説明されているので省きますが、他の方が上げてない
不満点として、「篝火で武器防具強化可能」
「篝火でレベルアップ可能」と言う様なシステムと、それを
プレイヤー自身で一人で全てこなす有様は、一見ゲームとして
利便性がある様に見受けられても、他方で世界観や雰囲気を
壊す様にしか働いていないとも感じました。
例えばですが、篝火に到達すると、主人公の行く末を
見守る様な役目の火防女が召還されて、その火防女から
エスト瓶を補給できる、レベルアップできる等あれば
本当に良かったと思いますし、また各エリアの篝火別にそのエリアの
歴史や成り立ち等を火防女から聞くことが出来れば
もっと良かったと思います。
鍛冶にしても同様で、特殊な鍛冶屋が召還されても
良かったと思います。その様に、人を引き込む演出や、
人にやすらぎを与える演出が、篝火システムからは何も
感じられなかったのが非常に残念です。
■人間性と生身に戻る意味の希薄さ
「人間性」のアイディア自体はそこまで悪くないと思いますが、
ただし、人間性の効能に関しては、素直に疑問点だらけだと思います。
まず、第一に、「生身に戻る意味」がほとんど無いと言うのは
いかがなものでしょうか。このゲームバランスであれば、
生身に戻った場合、クリティカルヒットが出やすい、
HPが元HPの3分の1程度増加する等のボーナスがあってもなにも
問題は無かったと思います。クリティカルヒットが出やすいので
あれば、ソロプレイのボス戦前で生身に戻る意味が非常にあったでしょう。
また、注ぎ火の為に人間性が亡者状態から計2つ必要で
ある点も疑問でしたし、他プレイヤー召還の為に人間性を消費して
生身に戻る必要があると言う点も、非常にバランスが悪いと思いました。
とにかく貴重なアイテムですので、結果的に、FFのエリクサーの様に
最後まで温存しがちになりますが、もっと積極的に使用可能な
アイテムとして位置づけた方が、オンオフ含め、もっとプレイの幅が
広がったと思います。
■ボス戦前のNPC(戦闘AI)召還
自分の場合、「自力で全てやり遂げる」をモットーに
プレイしておりましたし、また、このゲームもその様なやり方で、
様々な戦略や工夫を試行錯誤することで楽しめる様に設計された
ゲームだと最初は考えておりました。ですので、序盤のボス戦の前で、
初めてNPCの召還サインを見た時は、少しあっけに取られたのを
覚えています。
と言いますのも、「どうしても勝てないのなら、NPCと言う
「戦闘AI」の助力を借りてボスを倒しなさい」と言うシステム
、開発者の指針に関して、その様な救済措置、しかも単なる
「火力の増強」をプレイヤーに施す位ならば、他にもっと
調整しようがあるだろうと、素直に感じたからです。
勿論、初心者の方等に対する救済措置を用意することは
全く悪いことではありません。ですが、初心者上級者問わず、
「一人で苦戦し続けても、工夫すればきっと勝てる」と
言う方向性で、プレイヤーに工夫や試行錯誤を促せなかった、
もしくはその為の調整を戦闘AI召還による「火力の増強」で
解決した開発者の指針には、自分はほとんど全く
納得することが出来ませんでした。これを「オフ専プレイヤーの為の」
救済措置として見ることも可能ですが、そうだとしても、
自分としてはやはり同じ結論です。
また、多くの召還用NPCは単にボス戦用にのみ用意された
戦闘AIであり、ソラールを除けば、ほとんど身分も素性も知らぬ
その辺の傭兵となんら代わりがありません。
これでは、機械的に用意されたキャラとしかならないし、
共闘感も全く生まれてこない様に思います。そう言った所で
そのNPCに関する細かい演出やストーリーが予め用意
されていれば、また意味も違ってきた部分はあるでしょうが。
■サウンド、音響効果
全体的にそこまでに悪くはありませんが、ボスを倒した時の
効果音等はもっと迫力があっても良かったと思います。
これは前作のデモンズソウルと比べると一目瞭然です。
他にも迫力感、臨場感、奥行き感、または繊細さに欠ける
音響効果がちらほらあり、全体としてフラットかつトライなミキシングが
施されている様に思いました。また、「緊張感」と
「リラックス、やすらぎ感」を演出する音響効果、音楽がほぼ無く、
この点は前作に比べ、非常に残念な出来でした。
COMMENT
■総評「達成感は多少感じられるが、解放感や爽快感はほぼ皆無のゲーム」
自分としてはこれに尽きます。困難な道のりの果てにボスを倒したら倒したで
それなりに嬉しさはありますし、終盤近くで出てくる二匹同時攻撃の
強力なボス等、自分なりの戦法を見つけ倒せた時の達成感は
それなりにありました。ですが、問題なのは、倒した後に解放感や爽快感が
ほぼ感じられない点です。前作のデモンズソウルでは、そこでリフレッシュとすら
言えるべき解放感や爽快感がありました。その世界(ステージ)が実際に
解放されたんだと言う実感と共に、単純に明日への活力の様なやる気も
呼び起こされたものです。
ボス戦後に生身に戻れない、取得ソウルが少ない、拠点に戻れない等も
その原因だと思いますが、他に迫力のある音響効果や、
デモンズの時にあった、ボス戦後にボス地点で鳴り響いていた
心地良い金属音が鳴り響いていない等の点も、かなり影響していると
思いました。そうしてボス戦後も一息付くことも出来ず、前に進むにしても
戻るにしても、また単調で硬い敵を何度も相手にし続けないといけない為、
メリハリ感が生まれず、ある意味、常にだらだらしたリズムの中で、
最後までプレイし続けることになりました。
非常に期待して待ち焦がれていたのですが、プレイする時間を経るにつれ、
様々な違和感を覚える様になり、終盤ではプレイするのも非常に
苦痛であったのが正直な感想です。
バグやオン関係の不具合、仕様に関しては一言で「論外」です。
これは内容以前の問題で、まず最低限、ちゃんと商品として
成立している物を提供して頂きたいです。