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【PS3】テイルズ オブ エクシリア

発売元 バンダイナムコゲームスオフィシャルサイト
発売日 2011-09-08
価格 8379円(税込)
レーティング 【B】12才以上対象 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:揺るぎなき信念のRPG
■ プレイ人数:1人(戦闘時のみ最大4人)



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
3pt 3pt 3pt 3pt 2pt 4pt 3pt
総合点
58pt

GOOD!

・システム
戦闘システムのベースは従来と大差は無いが、リンク関係が面白かった。
戦闘時、任意のキャラとタッグを組んで戦闘するというものだが、パートナーに選んだキャラのサポートが優秀。(後ろから来る敵の足止めや、敵の後ろに回りこんで挟み撃ち等)

また、通常攻撃・術技・リンクアーツの棲み分けもちゃんとされていて、その場その場で使い分ける必要があるようになった為、Sチームの過去作(S・A・V)のような『ボタン連打だけのゴリ押しでどうにかなる』ということが無くなった。

各キャラに基本性能や技性能以外に、それぞれ固有能力がついているので、同じ前衛系のキャラでもかなり操作感がことなる。
単調になりがちな術系のキャラでも同様で、今回は術キャラの操作も楽しい。(発動中の術を追加入力で強化や操作したり、キャラの状態によって術の性能が変化する等)

・グラフィック
Vと比べれば細かな描写と綺麗なエフェクトで、尚且つアニメ調と、従来のテイルズの雰囲気を壊すこと無く確実に進化して行っている。

・サウンド
今回は桜庭さんも意識したのか、いつもとは違う雰囲気の曲が多々ある。
ミラ編の中盤戦闘曲や荒廃した土地のジャズ調のBGM等、個人的にツボだった。

・難易度
ノーマルは温め、ハードは本当にハードとアクション戦闘が苦手な人も、ハードゲーマーも楽しめる。
おそらく、一周目ハードの難易度は歴代テイルズで最も難しいほどの難易度。多分デモンズソウルの2週目より難しい。

・W主人公
選んだ主人公の視点から物語が進むが、思っていたよりも細かった。
片方の主人公が離脱した時の分岐は当然だけど、同じイベントでも主人公によって微妙に内容や視点が変化しているのには驚いた。正直、ここまで細かく作り込んでいるとは思わなかった。
また、男主人公は常にストーリーの主軸に関わっているのでストーリーが分かりやすく、
女主人公は人間好きで人間観察や考察を良くしているので、それぞれのキャラの心情変化が分かりやすいという分け方をしていて面白かった。

・快適さ
一度訪れた場所ならダンジョンの中でも何時でもパッと移動でき、読み込みも速く、イベントスキップやボス戦のリトライなど、プレイヤーの手間になりそうな部分は全て対策してくれているので、快適にプレイできた。

BAD/REQUEST

・システム
通常攻撃・術技・リンクアーツの差が大きすぎる。
通常攻撃はTP回復用・術技はリンクゲージを溜める用・リンクアーツはダメージソースといった使い分けだが、リンクアーツ以外の威力が低すぎて戦闘が長引く。
通常攻撃が100ダメージ・術技が500ダメージくらいの攻撃力の時にリンクアーツを当てると3000〜4000ほどのダメージになる。そして、敵のHPはリンクアーツに合わせて調整しているらしく、かなり多い。
そのため、ザコ戦でも結構長引くことが多い。

そして、そのリンクアーツはキャラの組み合わせによっては少なかったり全く使えなかったりする。
主人公同士だと10種類以上あるのに、4種類しかない組み合わせもある。

AC(CCのような物)が続く限り攻撃をできるシステムを搭載しているのに、いろいろな技を使わせる工夫が一切ない。
例えば従来の作品なら通常攻撃→特技→奥義といった基礎連携があったり、Gでは1コンボ中に複数の弱点を当てたらその分ダメージが伸びたり同じ技ばかり使ってるとペナルティが発生したりして、1コンボの中に複数の技を使うように調整されていた。
しかし、今作にはそういったシステムがないので、後半のTP回復能力が高くなって技が使い放題になり始めたら、適当に弱点属性の技1種類をリンクゲージが溜まるまで連発していればいいという状態になってしまう。
最初は色々試していたが、途中で馬鹿らしくなって気がついたら同じ技連発で戦うようになっていた。

また、リンク中のAIもお粗末。
まず、前衛キャラ同士ならいい動きをするが、後衛キャラがリンクすると自分が使っていてもパートナーにしても動きが酷い。
 自分が術キャラを使ってパートナーが前衛キャラの場合、パートナーは敵が近くにいない時は棒立ち。しかし、術キャラは離れて詠唱をするので、パートナーは敵が近づいてくるまでずっと自分の近くで立ってるだけ。
もちろん、詠唱中に敵が近づいてきたら止めてはくれるが、なぜかサポートが遅れて詠唱の邪魔をされることが多い。
 では、逆に術キャラ同士でリンクしたらどうなるかだが、パートナーが術キャラでも同じように棒立ち。距離が開いているのになぜか魔法を使ってくれない。
回復キャラの場合はちゃんと回復行動をしてくれるが、間合いが開いていても何故か明後日の方向に走って行ってから詠唱しだす。
 最後に、自分が前衛でパートナーが後衛の場合、リンク中のパートナーは術での援護をほとんどしてくれないので、術キャラなのに肉弾戦しかしなくなる。

かと言って、リンクをしないとリンクゲージがたまら無いのでリンクアーツを使うためには結局使えなくてもリンクをしなければいけない。
作戦でいくら調整しようがこの有様。

一部のザコとボスの食らい抜けが酷い。
コンボの途中にいきなり!マークが出たかと思うと、こっちのコンボを強引に抜けてアーマー状態で反撃してくる。
それも20〜30ヒットとかではなく、一桁コンボ内で抜けてくるのでボス戦ではコンボをする楽しみが全くない。
しかも、相手を超上空に打ち上げてコンボをしていても、平気で抜けて空中でそのまま『地上技』で反撃してくる。いくら何でも酷い。
リンクアーツ中は抜けてはこないが、一度アーマーが付くとリンクアーツでも崩せないので、下手にヒット数の多い技からリンクアーツを使おうとすると、技の途中でアーマー発生→そのままリンクアーツ発動→相手はアーマー状態で強引に反撃→リンクアーツ中に戦闘不能にされるといった現象が良くある。
オーバーリミッツ中にリンクアーツでチェインしても、ボスクラスだとリンクアーツの繋ぎでコンボが途切れるので、アーマーゴリ押しでオーバーリミッツ中に戦闘不能にされることも多い。
なので、ボス戦中は短い技しか使えない。術に関してはほとんど多段ヒットなので、ほぼ間違いなく抜けられる。
なので、従来の作品のように術で崩して接近戦に持ち込むといった基本連携が一切できず、コンボ重視のシステムを自分で完全に否定している。
ハメ防止対策なのだろうけど、それならA見たくオーバーリミッツで抜けたり、Vみたく受け身を取ったりと『此方もできる方法』で抜けてくれたほうがまだ納得出来る。

・秘奥義
使用条件は従来通り、オーバーリミッツ中に奥義を当てること。
オーバーリミッツ状態になるにはリンクアーツを使用する必要がある。
そして、オーバーリミッツ中はリンクアーツで常にチェインしているので、奥義を使う隙がない。(リンクアーツから奥義には直接つながらない)
なので、秘奥義を使うには一旦リンクアーツのコンボを中断しないといけないのでテンポが微妙に悪くなる。
どうせオーバーリミッツにはリンク状態が必須なんだから、奥義派生のリンクアーツを用意して、Rみたく合体秘奥義にしたほうがシステム的にも良かったと思う。
わざわざ、リンク前提のシステムで組んでおいて、最後の〆だけソロにした意味が分からない。

・演出
イベントや秘奥義時のモーションやカメラワーク、会話の間など、固定演出に関する部分全般がひどい。
モーションキャプチャーを使った演出も多々あるが、ほとんどが従来通りのモーション。
動きながら喋ればいいのに、動き終わった後に会話を始めるからいちいちテンポが悪い。
アクションシーンのカメラワークがひどくて迫力を感じない等。
Sチームは今作で3D作品は4作目なのに、D2チームの3D初作品のGにハードの性能差によるグラフィック以外の全ての3D要素で負けている。
ただ、敵の秘奥義をちゃんと作っているのはよかった。

・ラスボス
回復アイテムを使うラスボス…威厳なんてあったもんじゃない。
そして、とある方法でアイテムを封じると技や術で回復しだす始末。
しかも、アーマー付きなので妨害が一瞬遅れると手遅れ。
初回ハードでHP30万の敵のHPを150万以上削って持久力負けした時は笑いしか出なかった。

・難易度
難易度を上げても敵のパラメータが増えるだけ。
これはここ最近の作品ほとんどに言えること。
D2の頃は、難易度を上げると敵の行動パターンや使ってくる技がボスどころかザコも変化したのに、最近はずっと数値が上がるだけ。
そして、立ち回りでの変化がないので、やたらとパラメータの上がり幅を増やして変化をもたせようとしている。
なので、難易度を上げてもう1周していても大した変化が感じられるに飽きる。
特に、今回はW主人公で2周前提のシステムなのにコレは致命的だと思う。

あと、難易度の上がり幅が尋常じゃなく大きい。
ハードで30分掛かったボスがノーマルなら同条件で1分で終わるレベル。

・サウンド
いつもと違う雰囲気の曲を作ろうと意識したのかはわからないが、戦闘曲は別の方向で似たような曲が多すぎる。
いつもの桜庭節は似たような曲でも聞き分けれるのに、今回の曲は聞き分けるのが難しい曲が多かった。特にジュード編の戦闘BGM。
音質はあがったけど、クオリティが…という印象。

COMMENT

総評としては面白かったけど、荒が目立ちすぎるといった印象。
AやGは荒はあったけど、それを超える楽しさがあった。
しかしXは楽しさが荒を超えていない。

15周年記念にとらわれず、もう少しじっくり作っていれば…という作品になってしまっている。
ただ、過去作と比べるからそう感じるだけで一つの作品としては、ここ最近のゲームと比べてもかなり作りこまれている方だと思う。
チュートリアルもかなり丁寧。

テイルズには開発チームがD2チームとSチームがあるが、それぞれ
D2チームは挑戦的なシステムのハードゲーマー向けで、ストーリーは微妙だけどキャラが良く、
Sチームは無難にシステムを進化させた万人向けで、ストーリーはいいけどキャラ微妙
と正反対の印象を持つので、毎回毎回完全に別々に作らないで、一度両チームが最初から最後まで協力して作ってみて欲しいと思う。


・環境
HDMI接続の液晶
現在ミラ編クリア・ジュード編中盤
過去作はマザーシップタイトルは全て2周以上プレイ済み。(多くて6周)
参考までに自分の過去作の好みは
D2>G>A
で、
D2は連携の楽しさとキャラ育成
Gはコンボの構築
Aはシンプルかつ奥の深い立ち回り
が好きだった。

DLCについては特に気にしてないし買う気もないが、今まで見たくゲーム中で条件を満たして入手しなくていい分、中古に行くのが早くなるだけ。

基本的に私は、システムを重視で見て、ストーリーはほとんど気にしないタイプなので、ほとんどシステムのレビューになっています。
なので、システム重視で選ぶ方の参考になれば幸いです。
ちなみに難易度関係のレビューはほとんど1週目ハードのレビューです。

Gの癖で、アラウンドステップをしようとして被弾したのは自分だけではないはず…

   
プレイ時間:60時間以上100時間未満(クリア済)
sekuさん  [2011-09-22 掲載]

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総合ポイント
54
(難易度)
1.61
レビュー数
124
スコアチャート テイルズ オブ エクシリアレビューチャート

テイルズ オブ エクシリア 購入する
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6.5%
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50-59
14.5%
60-69
12.1%
70-79
11.3%
80-89
0.8%
90-100
【60点以上】
38.7%
【標準偏差】
16.97