PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

＜ストーリー＞
まず最初に、このゲームにおいてなくてはならないものだと思います。
謎の菌により感染がおき、荒廃したアメリカが舞台という米ドラマにあるような設定ではありますが、その中で必死に生き抜く人間のドラマです。
感染やゾンビ（正確には違いますが）はどちらかというと『設定』『時代背景』であり、対ゾンビというよりも、人間同士の繋がりや争い、個々の決断に重点が置かれています。

＜グラフィック＞
やはりノーティドッグとしか言いようがありません。さすがの一言。
アンチャでも十分綺麗だと思いましたが、それに輪をかけて美しいです。
荒廃したアメリカと言っても完全に崩壊しているわけではなく、自然は残っています。
人間が作ったものの崩壊と残っている自然の調和というか対比というか、人間の文明は荒廃しているのに、自然は生き残っている・・・何とも言えない世界観が広がっています。

＜システム＞
銃や打撃武器があり、主人公のジョエルは、アンチャーテッドの主人公「ネイト」ほどではありませんが十分強い主人公ではあります。
ですが、アンチャよろしく突っ込んでいってしまえば、あっという間に敵の餌食に・・・
限られた物資で戦略を練り、時には退避、時には突っ込むという臨機応変さが必要になります。

＜エリー＞
この作品になくてはならない存在、ヒロインのエリーがとにかくかわいい。
小憎たらしい発言もあったり、吹けなかった口笛が吹けるようになって喜んだり、年相応でありながらも、ジョエルと旅を共にするにつれ、心を開き信頼し、心も体も強く成長していきます。

BAD/REQUEST

＜味方＞
ある意味雰囲気を壊す時がありますね。他の方も書いておりますが、やはり残念。
「気づかれないように、足音を立てるな」なんて言った瞬間に敵の目の前をドタドタと走ったり。
弾薬がなく体力もなくどうしようかと考えている時に「こっちだよー」なんて瓶を投げつけたり・・・
『おい・・・』と思えるような立ち回りが結構あります。

＜爽快感＞
このような設定なので爽快感はほとんどありません。
銃や武器はあるけど「アンチャ」ではない、ということを認識しておかないと「う〜ん」となるかもしれません。
敵を殲滅するのが目的ではありませんので、アンチャのノリでプレイするとえらい目を見るかもしれません。
ここが評価の分かれ目になるかもしれませんね。

COMMENT

・ゾンビは出てくるが『ゾンビゲー』ではない
・敵を殲滅する『ドンパチゲー』ではない
この部分が何より重要だと思います。

このゲームは、荒廃した時代を生き残るために、限られた物資を利用して行動、決断する主人公であるジョエルとエリーの『生き様』を見るゲームだと思います。
「敵を倒すために何をするか」ではなく「自分が生き残るために何をするか」を考えるゲームですね。

自分が生き残ることが目的であり、敵を倒すのは目的のための「手段」。
敵を倒すことを目的と考えてしまうような、ＴＰＳゲーのような感覚でプレイされると、相当違和感があるし不便極まりないと思います。
先にも書きましたが、その部分をどう見るかで、評価が分かれると思います。
ＴＰＳの部分だけでみるなら、駄作ですよ。

設定はありがちではありますが、何度も書いているとおり「生き抜く」ために考え、決断し、行動する「ドラマ」です。
見捨てられた人間は徒党を組み、敵となり暴虐の限りを尽くす。これも「生き抜く」ための術。
家族を作り、集落を作り安定を求める。これも「生き抜く」ため。
そして、荒廃した世界を救うことができるかもしれないという一つの希望・・・その上で出した決断もまた「生き抜く」ため。

このゲームは、そんな人物の生き様を描く作品であるといえます。